いろいろありました3

 私が小学5年生の時、ソフトボールの試合の為に早朝に集合場所に行ってみると6年生でエースの人が熱が出て休むという事だった。

代わりに投げるのは私しかいない訳で、周りは「こりゃダメだ」と言う雰囲気だった。

と言うか私自身も「こりゃあ勝てん、早く帰って遊ぼう」と考えていた。

一人の子供が「もし優勝したらプロ野球みたいにビールかけしたい、コーラーで」と言ったらコーチの人が「おおええぞ、優勝したらのう」と言う返事。

それを聞いても「まあどうせ勝てるわけない」と思っていたので特にプレッシャーもなかった。

何も考えずに投げたのが良かったのか、思いもよらず優勝した。

一番印象に残っているのが二回戦での事だ。

対戦相手は優勝候補で、6年生のエースピッチャーがその年で一番いいピッチャーでしかも4番打者だった。

自分たちのチームが1-0で勝っていたが、私がファーボールを出してしまいワンアウト満塁となった。

そしてそのエースで4番の人に打順が回ってきた。

その人に打席が回ると、周りで見ていた子供から大人までもがその人が打つことを期待して歓声を上げ拍手をした。

誰も自分たちを応援している人はいない状態だった。

親も応援に来ていて、自分の子供がそんな状況なのを見て何とも言えない気分になったそうだ。

しかし私は「お前ら俺が打たれると思っているのか、見とけよ」と思って全て全力で投げた。

結果はセカンドフライで周りから「あ~」と言うため息が聞こえてきた。

心の中で「ふん、ざまあみろ」と思った。

今考えると私も生意気な子供だった。

夏休みの期間中でその日は本当に暑い日だった。

決勝戦も投げ終わるたびに応援に来ていたお母さんたちが私だけを「中村君こっちにおいで」と言って冷たいタオルで拭いてくれた。

来いと言われるので仕方なくいったが、一人だけ特別扱いされるのも嫌だったし「このおばちゃん誰?」と思った。

優勝した瞬間みんなが本当に喜んでいたのをよく覚えている。

ビールかけならぬコーラーかけは本当に楽しかった。

40年も前の事だが今でも鮮明に記憶に残っている。

プロ野球選手が本当に楽しそうにビールかけをしている所を見て「本当に嬉しいんだろう」と言う事が自分が同じような事をしてみて何となくでも分かる。

今までの練習の苦労が報われたと思えるのだろう。

まあ、私としてはそんなに期待されていなかったので「よかった、よかった」ぐらいにしか思わなかった。

家に帰ってからは、相変わらず勉強もせずに漫画を読んだ。

 

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