1、なぜ凧を上げるのか
「もういくつ寝るとお正月、お正月には凧あげてコマをまわしてあそびましょう」と歌いますがなぜ凧を上げるのでしょうか。
私が小学校の頃は「ゲイラカイト」と言うビニール製の洋凧が流行り、よく上げてみては電線に引っかかったりしていました。
このゲイラカイトとは、アメリカのNASAの科学者が航空力学を駆使して設計したもので子供でも簡単に上げることが出来る為に爆発的に売れました。
そしてこのゲイラカイトは今でも売られています。
話を元に戻してなぜ凧をあげるのかですが始まりは中国で、最初は軍事目的で使われていました。
それが平安時代に日本に伝わり貴族の遊びとして取り入れられました。
戦国時代には敵陣までの距離を測ったり、遠方へ放火する兵器としても利用されました。
一般の人にも広まったのは江戸時代になってからです。
男の子の誕生を祝って凧をあげる様になり広まったとされています。
江戸時代には盛んに凧あげをしていたようで、武家屋敷に凧が飛び込んだり参勤交代の列に飛び込んだりするために幕府は凧あげ禁止令を出したりもしています。
ただ、参勤交代もない正月は大目に見てもいいだろうという事で正月に凧あげが根付いたと言われています。
1970年代の凧あげが盛んに行われていた頃にも「凧を上げる時は電線のない広いところで行いましょう」と言う様なCMを見た覚えがあります。
最近ではその様な広い所もない上に少子化で正月に凧あげをしている光景をあまり見なくなりました。
2、コマ回し
コマも中国の唐から日本に伝わったとされています。
平安時代には宮中で占い師がコマを回して吉凶を占う道具として使われました。
江戸時代になると、サイコロとして賭け事に使われました。
縁起物とされたのはそんなに昔の事ではないという事になります。
コマの中心にはまっすぐ一本の芯が通っています。
ここから「筋を通す」「思いを貫く」などの前向きな意味があります。
くるくる回るコマから「頭が回る」「仕事が回る」「お金が回る」ようにと言う願いを込めたとされています。
財布の中に小さなコマを入れておくと縁起がいいとされ、お金が出て行ってもすぐに回って帰ってくると言われています。
出産祝いにコマを送る風習もあり、コマがよく回ると子供が早くひとり立ちできるとされています。
コマには赤・黒・黄・緑・紫などのカラフルな色がついていたことを覚えている方も多いと思います。
これを「江戸五色」と言い「長寿を授けて身を守る」と言われる伝統色です。
赤は健康、黒は力、黄色は富、緑は豊作、紫は高貴なものを表しています。
先ほどの財布に入れるコマの場合は赤字にならない様に赤いコマを避けて黒や青、紫のコマがいいとされます。
3、カルタ
室町時代にポルトガルから伝わった「うんすいがるた」が日本の貝合わせ(貝に書いてある絵と同じ貝を当てる遊び)や花合わせの遊びと結びついて花札となり、平安時代には歌合せと結びついて百人一首が出来たとされます。
江戸時代に入ると子供たちがことわざやひらがなを覚えられるように「いろはがるた」になりました。
一種の教材の様なものですが、教科書を見るよりかはずっと覚えやすく子供も勉強をしている言う気分にならないので遊びながら生活に必要な知恵を学べます。
また面白いものでは、世界の国旗ガルタや地図記号カルタ、四字熟語カルタなどもあります。
お正月だけは夜遅くまでゲームをしていても怒られずに眠くなるまで遊んでいました。
今の子供はどのようなお正月を過ごしているのでしょうか。