1、報酬を与えればいいと言うものではない
せっかく「これをすると楽しい」と思っていたのに報酬をもらう事で他者からの「ご褒美」が目的になってしまい、ご褒美がないとやる気にならないと言う事を「アンダーマイニング効果」と言います。
アンダーマインとは「徐々に弱らせる」や「土台を壊す」という意味があります。
子供が勉強するようにご褒美をあげる事を習慣にしている家庭もあるのではないでしょうか。
子供からしたら勉強が楽しくて行っているかもしれないのにテストの成績が良かったらご褒美としてお小遣いをあげるというのはせっかく楽しくて行っていた勉強が報酬なしでは面白くないという事になっていきます。
これでは、お小遣いをもらわないと勉強をしない子供になってしまいます。
例えば、あなたが「毎日でも勉強したい」「勉強が出来る様になりたい」と考えているのなら、それは自発的に起こる「内部的動機づけ」と言う事になります。
内部的動機づけは集中力が高く効率が良い為にいい結果を出しやすいと言われています。
これとは逆に他人から褒められたり報酬をもらう外部からの目的を達成する為に頑張ろうとすることを「外発的動機づけ」と言います。
内発的動機づけは外発的動機づけに変化しやすく外発的動機づけの事をアンダーマイニング効果と言うのです。
私たちは怒る事のデメリットには気が付きやすいですが褒める事にもデメリットがあると言う事にはなかなか気が付かないものなのです。
ある幼稚園で園児に「絵が上手にかけたら賞状をあげる」としたAグルーブと賞状をあげる約束はしないが絵が上手にかけたら賞状をあげるBグループ、全くそういう約束をしないCグループに絵をかいてもらう実験を行いました。
その結果B,Cグループの子供に変化はありませんでしたが、上手に絵をかけたら賞状をあげるとしたグループが一番内発的意欲が低下してました。
2、やる気をなくさない為に
では、どのようにしたらやる気をなくさない様に褒める事が出来るのかと言う事になります。
まずはその人の性格や能力をよく観察する事が大切です。
報酬をあげると誰でもやる気をなくすとは限らないからです。
そして、その人の行動が外発的動機づけによるものなのか内発的動機づけによるものなのかを慎重に判断してどの様なタイミングで報酬を与えるのかを考える事が必要です。
子供の場合は特に難しいとされており日ごろの生活からその子の特徴などを見極める試行錯誤を続けるしかないと言われています。