任意後見監督人の職務

1、どのような職務があるか

 任意後見監督人は、任意後見人の職務が適正に行われているかチェックする人の事です。

➀任意後見人の事務を監督すること

任意後見人が被後見人本人から与えられた代理権について不正行為や権限の濫用等を行う事が無い様に監督します。

まず、任意後見人選任時点での財産の確認を行います。

任意後見契約で財産についての記載がある場合には、それが現時点でどうなっているのかを調べます。

選任される前の任意後見受任者の時に不正行為等があれば任意後見人の解任事由になる可能性もあります。

任意後見人に対して財産管理や身上監護(病院への入退院手続きや費用の支払い、施設への入所手続き等)について行った内容を報告させ、適正でない所は是正させます。

任意後見監督人はいつでも任意後見人に対して事務の報告を求め、任意後見人の事務もしくは被後見人本人の財産を調査する事が出来ます。

②任意後見人の事務を家庭裁判所に定期的に報告すること

任意後見人の事務内容や問題点を報告書にまとめて裁判所に報告します。

事案によりどの程度の頻度で行うかは違いますが、年に1回の報告求める事が多いようです。

③急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において必要な処分すること

例えば、任意後見人が病気等で職務を行う事が出来ない時には、任意後見監督人が適切な処置を行います。

任意後見人が死亡して職務を行えないケースでは、任意後見監督人が申立人となって法定後見(すでに判断能力のの低下している人の為に家庭裁判所が適切な支援者を選ぶ制度)開始の申し立てを行います。

④任意後見人またはその代表する本人との利益が相反する行為について本人を代表すること

夫が亡くなりその配偶者である妻が被後見人で、子供が任意後見人である時の遺産分割では、子供の相続財産が増えると妻の相続額が減るので利益が相反する事になります。

この様な時には、任意後見人である子供は被後見人である妻の代理をする事は出来ません。

任意後見監督人が被後見人である妻の代理をする事になります。

この様に家庭裁判所は、任意後見人を直接監督するのではなく、任意後見監督人を通じて間接的に監督します。

任意後見監督人には委任の規定が準用され善管注意義務(善良な管理者の注意義務の略で、委任された人の職業や専門家としての能力、社会的地位から考えて通常期待される注意義務の事。注意義務を怠り履行遅滞・不完全履行・履行不能がある場合には民法上過失責任があるとみなされ、損害賠償や契約解除等が可能となる)を負う事になります。

 

 

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