未成年の相続人がいる場合

1、未成年は相続人になれるのか

 相続が始まり被相続人との関係で相続人になる人の中に未成年がいる場合、そのまま未成年の方を遺産分割協議に参加させることが出来るのでしょうか。

もし、できないとしたら誰が代わりをするのか、それともその未成年者を除いて相続を進めていくのかが問題となります。

未成年であっても法定相続人であることに変わりはありません。

しかし遺産分割協議は「法律行為」にあたります。

法律行為とは、当事者がした意思表示の内容通りの法律効果を発生させる法律要件とされています。

これだけだと「なんのこっちゃ」と思いますが、例えばあるものを「売りたい」「買いたい」と言う意思表示の合致で売買契約が成立します。

これにより「目的物を引き渡す代わりの代金を支払ってほしい」「代金を支払う代わりに目的物を引き渡してほしい」と言う意思表示の合致によりお互いに権利と義務が発生します。

一定の法律効果の発生を意欲する意思を表示して、その内容通りの効果が生じる事を法律行為と言います。

売買契約や雇用契約などがこれにあたります。

未成年者がこの法律行為を行うには、原則として法定代理人の同意を得る必要があります。

法定代理人の同意を得ないでした法律行為は取り消せるとされています。

売買契約などの日常での法律行為では親権者が法定代理人となります。

しかし、相続の場合は親権者が未成年者の法定代理人として遺産分割の同意を行う事が出来ません。

この場合、親権者が法定代理人となる事は「利益相反行為」となるからです。

利益相反行為とは、当事者の一方の利益が他方の不利益になる行為の事を言います。

父親が亡くなり相続人が母親と未成年の子供である時は、親権者は子供のために特別代理人の選任を家庭裁判所に求めるルールになっているのです。

ちなみに相続人の中に未成年者が複数おり親権者が代理人となれる場合でも、一人の未成年の代理人にしかなる事が出来ません。

親権者は、自分が代理人とならなかった未成年の方の特別代理人を選任してもらう事となります。

2、選任の方法

特別代理人は、未成年者と利害関係がない方なら誰でもなることが出来ます。

相続人以外の親族もなることが出来ますが、最終的には家庭裁判所の判断で選任されます。

選任方法ですが、親権者などが子の住所地の家庭裁判所に申し立てを行います。

申立書以外に必要な書類として未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)、親権者または未成年後見人の戸籍謄本(全部事項証明書)、特別代理人候補者の住民票または戸籍の附票。

利益相反に関する資料(遺産分割協議書の案など)、利害関係人からの申し立ての場合は、戸籍謄本などの利害関係を証明する資料などがあります。

この他にも800円の収入印紙と連絡用の切手が必要で、切手代は裁判所によって異なるので申立てを行う裁判所に確認して下さい。

遺産分割協議書案には、不動産や預貯金などの遺産を誰がどのくらいの割合で相続するのかを記載します。

その遺産の価値が分かる資料の提出も求められます。

選任されるまでに1,2か月はかかる事が多いので、早めに申し立てを行う方がいいでしょう。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー