欲求5段階説

 人間の欲求には5段階あるという説をアメリカの心理学者アブラハム・マズローが1943年に発表した論文で唱えています。

これをマズローの欲求5段階説と言います。

基本的には低階層の欲求から現れ、それがある程度満たされると高階層の欲求を満たそうとするとされています。

第一階層は生理的欲求です。

人間が生きていくのに必要な本能的・肉体的欲求で、呼吸をすることや食べる事などです。

食欲・睡眠欲・排泄欲がこれにあたります。

服が欲しい、いい車に乗りたいなどは食べるものがあって初めて思う事であり、この生理的欲求が満たされているという事です。

この欲求が満たされると次の階層の安全欲求を満たそうとします。

字の通りの安全で安心な暮らしがしたいと考える事で、安心な生活環境や健康面も含まれます。

衣・食・住の衣と住の部分です。

戦争でいつどうなるかわからないという状態の中では誰もお金が欲しい高価なものを買いたいなどとは思わず、生理的欲求と安全欲求しか持てないという事になります。

この安全欲求が満たされると所属と愛の欲求(社会的欲求)を満たそうとします。

孤独になりたくない、仲間が欲しい家族や同僚、サークルなどの共同体の一員になりたい、周囲の人から温かく迎えられたいと思うのが所属と愛の欲求です。

確かに私たちはいつも一人でいる事を嫌い話し相手や仲間を求めようとしますし、友人が多く社交的な人が優秀な人に見えます。

フェイスブックやツイッターなどのSNSや何らかの交流会があるのはこの所属と愛の欲求を満たそうとするからです。

この次に来る第四階層が承認欲求(尊厳欲求)です。

他人から認められたい尊敬されたいと考える欲求です。

所属と愛の欲求が満たされ仲間が増えるとその中で自分の存在を認められたい、すごい人だと思われたいと考えるようになります。

これにより自分の存在価値を持つことが出来るので自信を持てますし、逆に認められなければ劣等感を持ったりもします。

対人関係の悩みはほぼこの承認欲求からくるものです。

スポーツなどの何かの競技を行うのも、高級な腕時計や車を購入するのも自分が優れた存在であると他人にアピールするためで、それにより自信を持ちたいと考えているからであることが多いのではないでしょうか。

よく芸能人が政治家になりますが、これはこの前の段階である所属と愛の欲求までが満たされているからです。

政治家になる芸能人はかなりのキャリアとお金がある方が立候補することがほとんどで、この承認欲求を満たそうとしていると言えます。

第五階層は自己実現欲求です。

自己実現欲求には超越的でない自己実現欲求と超越的な自己実現欲求があります。

超越的でない自己実現欲求とは、人が潜在的に持っているものを開花させて自分しかなれないものになりたいと考えることで、より自分らしくありたいという欲求です。

ボランティアをしたりして社会に貢献したいと考えたり、偉大な発明をしたいと思う事も含まれます。

人は自分に適していないことをしていると不満を持ち落ち着かなくなります。

良くプロ野球選手が日本にいるときより年収が下がるのにメジャーリーグに挑戦すると言うことがありますが、報酬ではなく行動そのものを目的にしている自己実現欲求を満たそうとしているからです。

また時々芸能人の洗脳事件がありますがこれも自己実現欲求を満たそうとした為に間違った自己啓発を受けたからと言えます。

芸能人は欲求5段階の最上級階層にいる人が多いという事です。

この自己実現欲求を満たすには、変化を避けられません。

物の考え方だけでなく生活面が変わる可能性があります。

安定した生活を捨てて新しい環境に身を投じる事になります。

つまり生理的欲求や安全欲求が脅かされることがあるのです。

この葛藤に打ち勝った人のみがたどり着ける領域と言えます。

超越的な自己実現欲求とはマズローが晩年に発見したもので、自己のためだけでなく他人を豊かにしたいとする欲求で社会貢献などを超越した哲学的領域です。

この領域に達することが出来るのは全人類の2%程度とされています。

欲求5段階説は必ずしも低階層から満たそうとするものではなく、人によって順番が違う事もあります。

また100%満たされないと次の階層に行けないという訳ではなく、生理的欲求は85%、安全欲求は70%、所属と愛の欲求では50%、承認欲求は40%、自己実現欲求では10%の達成で満たされるとされています。

ほかの人がこの階層のどの段階にあるのかを見誤ると効果がないという事にもなるのでよく相手を観察してから接する事も大事だと言えます。

 

 

 

 

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