死亡した場合の損害賠償は相続されるか

1、相続の対象となるのか

父親が横断歩道を横断中に信号無視の車にはねられて負傷し治療の甲斐もなく死亡した場合に、慰謝料等の請求はどうなるのでしょうか。

もしケガをした本人が生きていれば加害者に対して入院通院費、精神的損害に対しての慰謝料を請求出来ます。

しかし、本人が亡くなっている時には、損害賠償請求権は発生しておらず相続の対象にもならないとも考えられます。

そして交通事故に遭わずに働き続けていたら得られていたであろう収入や利益があります。

この事故によって失われた利益を逸失利益と言います。

賃金の変動が少ない公務員やサラリーマンは金額を算定しやすいのですが、自営業の方や会社役員の方の場合、児童・学生や専業主婦などの収入がない方はどうなるのか。

この様な請求を不法行為に基づく損害賠償請求と言い、不法行為とは簡単に言えば人に迷惑をかける事です。

結論から言えば、これらの損害賠償請求権は、相続人に相続される事になっています。

逸失利益の計算方法ですが、

死亡逸失利益=1年当たりの基礎収入×(1-生活費控除率)×稼働可能期間に対応するライプニッツ係数(又はホフマン係数)となります。

生活費控除率とは、得られたであろう利益から消費された生活費を差し引く必要があり、その差し引く割合の事です。

ライプニッツ係数とは、交通事故等の人身傷害における損害賠償で、長期に発生する介護費用や仕事が出来なくなる事による逸失利益等、時間と関係する賠償金を一時金に換算する方法です。

複利計算を行う年金原価係数をライプニッツ係数と言い、単利計算を行う年金原価係数をホフマン係数と言います。

複利計算とは元本と利息を合計してさらに利息をかけていくやり方で、単利計算とは元本に対してのみ利息を計算する方法です。

現在の交通事故実務では、ライプニッツ係数を使って複利計算するのが一般的になっています。

このあたりは難しいので専門家にも相談してみて下さい。

2、かつての判例

被害に遭った方が亡くなったからと言って損害賠償請求出来ないのでは遺族の方はいたたまれませんが、かつての判例では、死亡による慰謝料請求権は、一身専属性(権利や義務が特定の人に専属し、他の者に移転しない事)を有するが、被害者が請求の意思を表明したら金銭債権となり相続の対象となるとしていました。

しかし、これでは即死の場合や意思を表明しない時は相続されない事となり、又、生存中にどのような言動をしたかで結論が違ってきてしまいます。

この様な事がない様に、現在では慰謝料請求権も単純な金銭債権にほかならず相続の対象になるとされています。

 

 

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