無用の長物

 何年か前に見ていた映画のセリフの中で、「世界三大無用の長物は、ピラミッド、万里の長城、戦艦大和だ」と言うシーンがあった。

戦艦大和の乗組員を題材にした映画だったので、戦争の虚しさを伝えるために言ったのだろう。

確かに、大和自体は大した功績をあげたわけでもなく、沖縄救済に向かう途中で撃沈されている。

「制空権を制する者が戦争を制すると言う時代になっても、この様な巨大な戦艦を巨費を投じて作っていた為に日本は敗れた」と言う人もいれば、「鎖国の影響が残っていた為に時代に取り残された」と言う人もいる。

私の祖父も大和に乗っていた時期があると親戚等から聞いている。

大和の乗組員はエリートだったので戦争未亡人の軍人恩給はいいそうだ。

「しかし、あまり役にやっていないのなら自慢するのもどうなのか、無用の長物と言われても致し方ない」と思わなくもない。

又、実際に目の前で見た訳ではないが、ピラミッドや万里の長城にしても、かなりの巨大建造物なのは誰が見ても明らかであり、「この様なものをよく作ったものだ」と思う。

日本の大阪城などもそうだが、そうは見かけないような巨大な石を運んできて削り、かなりの高さまで積み上げている。

それをほぼ人の力だけで行ったと考えると、「これを作らされた人達は大変な思いをしただろう」と思う。

ほぼ奴隷のような状態で働かされたのではないか。

石の間に挟まれ死亡したり、障害が残ったりしてそのままお金がない為に治療も出来ず、その後遺症で苦しんで一生を終わった人もいたのだろう。

権力者と言うのは、自分の名誉や権力を誇示する為に多くの人達の人生を狂わせ、人から嫌がられるような事を数え切れないほどしてその上にあぐらをかいていると言う事にならないだろうか。

その建造物を見ている観光客の人達は、その場所でどれだけ多くの人が亡くなり苦しんだか想像している人はいるだろうか。

たった一人の権力欲を満たすために多くの人が犠牲になった建造物を見て私たちは喜んでいる事になる。

この様なものを作らなければ、「自分さえ良ければ人がどうなってもいい、自分のすごさを見せたい」と言う事をしなければ多くの人が幸せに暮らしていけたのではないか。

そう考えるとこの様な巨大な建造物は無用の長物であると言えるだろうし、税金などのカネの無駄遣いともいえるだろう。

私たちはもっと別の視点からこの様なものを見ていく必要があるのではないだろうかと思う。

 

 

 

 

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