相続人の一人が行方不明

1、相続人が揃わない

 相続が始まると遺産分割をする場合は相続人が集まる必要はありませんが全員の同意は必要です。

行方が分からない相続人がいる場合に「おらんのやから、その人を除いた他の相続人ですればええやろ」という訳にはいかないのです。

行方不明の方がいるというのは家族が他人に話したりする事はないでしょうから近所の人に分からないだけで意外に多くいます。

家出人として捜索願が出されている人を探してみると東南アジアにいたという事もあります。

大学生の就職難が叫ばれていた時は、日本の会社に就職する事をあきらめて外国の企業に行く人もいました。

相続時に相続人が揃わないという事はこれから増えていく事も考えられます。

そして他の相続人の方たちは相続人が全員揃う必要があるのですから、たとえ外国に行っていても連絡を取る事になります。

「なんで他の相続人に負担がかかるんだ、そもそも見つからなかったらどうなるんだよ」と言う声が聞こえてきそうですが、その場合は不在者の代理人として「不在者財産管理人」を選任して遺産分割協議を行う事になります。

不在者の家族や相続人などの利害関係人や検察官が家庭裁判所に選任の申し立てを行う事になります。

裁判所は、本当に行方が分からないのか全国の警察などに照会をかけて探します。

その結果、見つからなければ不在者財産管理人を選任する事になります。

2、職務

その名の通り不在者の財産を管理し、消滅時効の援用や家屋の修繕などを行い財産の現状を維持する保存行為と利用・改良行為を行います。

利用行為とは、目的物の性質を変えない範囲で利用する事で、現金を定期預金にする事など。

改良行為とは、使用価値・交換価値の増加を図る行為の事で家屋に造作を施すことや抵当権の抹消などがあります。

遺産分割協議に不在者財産管理人が参加するには権限外の行為として家庭裁判所の許可が必要です。

誰がなれるのかですが、相続に利害関係のない親族や専門家を選ぶ事もあります。

この場合、行方不明になっている相続人の兄弟姉妹でもない限り親族と言えども謝礼などは発生するでしょうし、専門家に依頼する場合も当然報酬が発生します。

この報酬を不在者の相続財産などから支払う事になります。

報酬の目安としては月額1万円から5万円ほどとされ、不在者の財産が少なく報酬を支払うのが難しいと家庭裁判所が判断した場合は、管理費用として30万円から100円の予納金を納付する事になります。

遺産分割協議が終わっても不在者が戻ってくるか、死亡したことが判明した場合や失踪宣告が行われない限り不在者財産管理人の職務は続く事になります。

失踪宣告とは、生死が不明である者を法律上死亡したとみなす効果を発生させる事です。

何年も不在者財産管理人の職務が継続する事もあるという事を考えると弁護士などの専門家に依頼するのは、それなりの遺産がある場合でないと難しいと言えます。

 

 

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