相続人の中に認知症の方がいる時

 1、認知症の方を除外して遺産分割できる?

高齢化により亡くなる際の年齢が高くなり、相続の時にも認知症の方がいるケースが増えています。

相続の際の遺産分割を行うには、相続人全員の合意があって初めて成立します。認知症の方を除外して行う事は出来ません。

その他の相続人で行っても無効となります。

遺産分割協議書に勝手に認知症の方の署名捺印を行うと私文書偽造などの犯罪となります。

遺産分割を有効に進めるには意思能力のある相続人の意思表示である事が必要です。

意思能力とは、意志表示等の法律上の判断により自己の行為の結果を判断する事が出来る能力です。

意思能力を欠いた状態の相続人から同意をしてもらっても有効に遺産分割が成立した事にはなりません。

意志能力に問題のない軽度の認知症の時は、遺産分割の内容を説明し、了承を得る事で有効な遺産分割を行えます。

2、では、どうするのか

それでは意志能力のない認知症の場合どうするのかと言う事になりますが、成年後見制度を利用する方法があります。

成年後見制度とは、判断能力が低下したり亡くなった方の代わりに第三者である成年後見人を選任し、本人に代わって財産管理を行う制度です。

成年後見人は本人の財産管理全般について代理権を持ち、本人が行った行為の取消権があります。

この成年後見人に本人の代わりに遺産分割協議に参加してもらいます。

成年後見人は、家庭裁判所に申し立てを行い選任します。

申立書の他に本人の戸籍謄本、住民票か戸籍の付票等の書類、申し立て手数料として800円の収入印紙、成年後見登記の費用として2,600円の収入印紙、4,000円分の切手が必要になります。

成年後見が必要かの鑑定を行う場合は、10万円程の鑑定料がかかります。

申し立ては、本人の住所地の家庭裁判所になります。

3、保佐制度

成年後見人がつくよりも本人の判断能力が高い場合に保佐制度を利用するケースもあります。

保佐人には遺産分割協議等の一定の法律行為について同意権を持ち、家庭裁判所の判断で必要と認められたら遺産分割の際の代理権を与えてもらえます。

認知症の本人と保佐人と共同で遺産分割に参加したり、代理権を与えられた場合は、補佐人に遺産分割の手続きを進めてもらう事も出来ます。

4、補助人制度を利用する

認知症の程度が軽い場合は、補助人制度を利用する事も可能です。

補助人は、家庭裁判所から特定の行為について同意権、取消権を与えられた場合は、本人と共同で遺産分割に参加して手続きを進める事が出来ます。

代理権を与えてもらった場合は、本人に代わって遺産分割を進める事が出来ます。

5、成年後見制度を利用しない方法

成年後見制度は時間とお金がかかるのでこれを利用せずに遺産分割を行う方法がないのかと言う方もいらっしやるかと思います。

遺産分割を行わずに法定相続分に従って相続人が財産を分ければ、成年後見制度を利用する必要は無くなります。

ただし、不動産は相続人全員の共有状態となり、売却する時や賃貸の際に処分する事が難しくなります。

固定資産税の支払いの際にも問題となる可能性があります。

不動産を共有にするのは、あまりお勧めできません。

6、遺言書を残しておく

もう一つの方法としては、遺言書を残しておくやり方があります。

遺言者が各相続人に相続させる内容の遺言があれば遺産分割を行う必要はなく、相続人の中に認知症の方がいても問題ありません。

相続人の方達に一番負担をかけずに済む方法と言えます。

 

 

 

 

 

 

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