精神障がい者の遺言1

1、成年被後見人の遺言

 成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある者で、家庭裁判所より後見開始の審判を受けたものを言います。

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠くって何?と思ったりしますが、聞いた話としては、孫の結婚式に出席している年配の方が「今日は、なんでみんな集まっているんだ」と聞くので、「〇〇ちゃんの結婚式なのよ」と言うと「そうか金なら出すぞ」と言って又、何分かすると同じ事を聞いてくるので、「いい年の取り方をしたね」と言って笑ったという話を聞きました。

この様に自己の法律行為の結果が自分にとって有利になるか不利になるかが分からない、ほとんどしっかりしている状態がない方を成年被後見人と言います。

成年被後見人には代理人として「成年後見人」がつきます。

いわゆる本人に代わりいろいろな判断をしたり保護をする人の事です。

遺言は満15歳以上であれば行う事が出来るので、成年後見人がいる場合でも、成年後見人の同意などがなくても単独で有効な遺言をすることが出来ます。

しかし、遺言をする方が遺言書通りにすると、その結果どうなるのかと言う事が分かっていないといけないという事があります。

これを「遺言能力」と言います。

遺言能力がないものがした遺言は無効となるので、精神障がいがある方がした遺言の効力が問題となります。

2、遺言作成が難しい事がある

成年被後見人は事理を弁識できないという事なので、ほとんど物事を判断する能力がない状態です。

この様な時に遺言をする事は難しいという事になります。

ですが、事理を弁識する能力を一時でも回復する事があります。

この場合に遺言をするには、医師二人以上の立ち合いで遺言をする事が出来ます。

立ち会った医師は、遺言者が遺言をする際に事理を弁識する能力を欠いている状態ではなかった事を遺言書に付記して、これに署名して印を押す事になります。

この様な対応をしてくれる医師を探す事になりますが、何名かの医師にお願いしてみたら断られたと言う話も聞くので、経験のある方が少ないのかもしれません。

引き受けてくれる方を見つける事が難しいと言えると思います。

3、実際問題として

公正証書遺言をする場合では、公証人が遺言者に様々な質問をしてきます。

家族構成やどの様な遺言をしたいのかなどを聞いてくるのですが、成年被後見人の方がこの様な質問に答えていくのは難しいかもしれません。

認知症があるが、成年被後見人にはなっていない方よりも公証人の見る目も厳しくなると考えられるからです。

この様な状態になる前に少しでも物忘れが出てきたと思ったら「いずれ遺言をする事を考えよう」ではなく、早めに親族なり専門家に相談をするべきです。

 

 

 

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