クラブ活動で野球をしていた時に一人の人が何か粗相をすると、顧問の教師は「野球はチームワークが大切なスポーツだからこれは連帯責任だ」と言って一人ひとりの頬を叩いていった。
こちらとしてはその様な事があった事をグラウンドに出てきて初めて知る訳で、「なんで自分が叩かれないといけないのか、何も知らないのに」とよく思った。
実際に他の生徒には何の責任もなく、問題を起こした生徒の親や教師の指導力がないからと言えるだろう。
いわゆる連帯責任と言うものだが、この連帯責任は条約違反だとイギリスの11歳の少女が言っている。
教師に望む事と言うアンケートに「何もしていない生徒にとつて集団罰は不公平なのでやめて下さい」と言うものだ。
続いて、1949年に締結されたジュネーブ条約(戦争犠牲者保護条約)に違反しているとも指摘している。
このジュネーブ条約は、紛争当事者が他国や占領地域の国民への集団罰を禁止している。
つまり、連帯責任は明らかに条約違反であり戦争犯罪だという主張だ。
11歳の少女が大人でも知らない条約を持ち出して、教師に意見するのだからしっかりしている。
教師の人達も反論出来ないだろうし、ツイッターに投稿したところ、53万件を超える賛成意見があった。
日本では連帯責任はかなり昔からあるともいわれているが、よく知られているのが豊臣秀吉の五人組と言われる制度だ。
厳しい年貢の取り立てに耐えかねた農民の夜逃げが相次いだ為にグル-プを作り相互監視の連帯責任にして統制しようとした。
この制度は脈々と受け継がれ、第二次世界大戦中にも隣組と言う制度に形を変えて続けられた。
権力者が自分の言う事に従わせる為に考えたこの様な制度が何百年も経った今現在でも行われている事に驚かされる。
検索してみると、メリットとして団結力を高めるとか協調性が身につくとあるが私の経験からはその様な事は全くなかったと断言できる。
「なんで自分がこんな目にあうのか」と言う割り切れない思いがしただけだ。
むしろ何もしていないのに巻き添えを食らい、全体が悪く評価されると言う誰も得をしないやり方であり、「この教師の人は何を言っているのだろう」とも思った。
違反をした生徒だけを罰すればいいだけで、何もしていない人には何の関係もない。
教師や指導者の人達はこのようなやり方を変えていく事を考える必要があるだろう。
連帯責任は条約違反であり、犯罪だと11歳の少女が言っているのだから。