1、遺産分割協議書とは
被相続人が亡くなると遺言書を作成していないかを確認します。
どんなに探しても見つからないという事になると、相続人が財産をどの様に分けるのかを話し合う遺産分割協議を行う事になります。
話し合いの結果として誰にどの財産を相続させるのかを記載してあるものを「遺産分割協議書」と言います。
どの財産を誰にあげるのかを記載していれば相続人の住所を記載して署名、実印での押印をしている事で特にどの様に記載するかの法律上の決まりは有りません。
インターネットでひな形を掲載しているので、それを参考にして作成することも出来ます。
しかし実際問題としては、不動産の名義変更を行う際に法務局に遺産分割協議書を提出する際に「ここはこの様に記載してください」として書き直す事もあります。
特に文章が間違っているわけではないのに記載してある事を書き直す事になるので、その役所の好きな言い回しがあるという事になります。
自分で調べたりせずに最初から担当の役所にひな形をもらう方が話が早いと思います。
2、うちは財産がないから
「家の家には、もめたりするほど財産がないから遺産分割協議書なんて必要ない」「相続人同士も仲がいいから問題ない」と言う方が結構いらっしゃいます。
正直ちょっと「危ないなぁ」と思う事があります。
どんなに仲がいい家族でも何の問題もないという事はまずないからです。
相続人同士が仲が良くても、その相続人の配偶者など周りの人が納得するとは限りません。
配偶者は相続人同士ほどの思い入れや血のつながりもないので、「もらえるものはもらっておこう」と思う方もいらっしやいます。
遺産をどの様に分けるのかを書面にせずに相続人だけの口約束にしても遺産分割協議は有効です。
ただし、どの場合でもそうなのですが書面にして証拠を残しておかないと後々「言った言わない」でもめる事が多いです。
トラブルを防ぐという意味でも遺産分割協議書を作成するべきです。
3、子供さんや孫の為にも
例えば、遺産分割協議書を作成せずに、預貯金は相続人のAが相続して不動産はBが相続すると決めたとします。
これを銀行や法務局に行って「このように決まりました」と言ったらその通りに預貯金をAに不動産の名義をBにしてくれるのかと言う問題が起こります。
当然ながら答えは無理で受け付けてもらえません。
相続人の間でどのような話し合いが行われ、誰がどのように財産を相続するのかを第三者が知る事が出来ないからです。
銀行や法務局などの役所は、トラブルに巻き込まれることを懸念しているという事もあると思います。
せっかく相続人で話し合ったのなら、それを書面にして残す事が法律上の手続きとしては必要と言う事です。
子供や孫などの後の代にトラブルが引き継がれる事がない様に遺産分割協議書を作成しましょう。